駆け抜ける歓びさらに深く大きく
BMW 335i クーペ その3
ビジネス街にも映える彫刻的なデザイン
最新のBMWといえば、まず触れなければならないのは3シリーズだが、現行のセダンのスタイルはちょっと控えめで、お洒落に乗るなら断然クーペがいい。
欧米では、今までも3のクーペとビジネスマンのコンビネーションは珍しくなかったが、新型クーペでも同様なコンビネーションが目につくようになっている。最近、ウォッチングしてきたフランクフルトのビジネスエリアでも、それは確認できた。
ボディカラーは依然として黒が多く、次いで輝度の高いシルバー。
ともに、彫刻的デザインがもっとも映え、受けた光をもっとも華やかに反射するボディカラーだ。映り込みのインパクトも強い。
3のクーペに限らず、最近マイナーチェンジした、Z4も、1も、5も、X5も、鋭利な彫刻的デザインの陰影効果と映り込み効果のインパクトは、さらに強くなっている。

インテリアのクォリティと洗練度が大きく引き上げられたのも、最近のBMWの特徴だ。エクステリア同様、そのクールな表情は一層際立つようになっている。
フランクフルトのビジネスエリアでは、5シリーズが再び増え始めているが、なかでも目立つのが黒のボディカラーを纏うツーリング。
白のシャツに鮮やかめの色のタイを着けたビジネスマンとのコンビネーションは、相当にクールだ。
1シリーズもトレンディなエリアで増え始めたが、目に付くのはやはり黒。それも、ソリッドな黒にコーティング仕上げを施した黒ピカ仕様だ。そして、運転しているのは、カジュアルだがモノトーン系でシックにまとめた男、いや女も多い。
そんななか、「BMW・ORACLE・Racing」の白のTシャツを着け、ダークブルーのキャップ(赤のORACLEのロゴが素晴らしく鮮やかだ!)を深く被った男の乗る艶やかな濃紺の130iが、強烈な印象で脳裏に焼きついている。
日焼けした肌と厚い胸板……もしかしたら、チームのクルーだったのかもしれない。
BMWの快進撃はまだまだ続く。
(『zino』2007年10月号掲載記事)

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1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。




