岡崎宏司の考察と結論
レクサス LS460 その2
開発中のスーパースポーツ投入で確かな地位を
レクサスは昨年も北米で31.4万台を販売し、プレミアムセグメントのトップを快走し続けているが、北米のレクサスが稼ぎ出す利益は、おおよそトヨタの利益の3分の1を占めるという。しかし、北米以外での販売台数は全部で8.2万台に過ぎない。

つまりは、レクサスの世界展開に成功することが、トヨタの収益構造を万全にする重要な鍵になるということだ。中でも、ホームである日本、そして、プレミアムセグメントの御三家が居並ぶドイツでの成功が世界展開の重要な突破口になるのは当然だ。
ちなみに、昨年ドイツで販売されたレクサスはわずか3000台程度でしかない。
ドイツ高級車市場は法人需要が多く、基本的にドイツ車が優位な構造になっているが、ドイツのVIPは環境意識のアピールを重視する傾向が強いため、レクサスはハイブリッド車でそこに風穴を開けようとしている。
新次元の滑らかさ静かさとともに、圧倒的な加速(とくに追い越し加速)を発揮するGS450hの性能は、欧州でも高く評価されはじめている。絶対数こそまだ少ないが、GS全体の4割前後がハイブリッド車であり、1年で2万台を売る人気のRX(ハリアー)も5割以上をハイブリッド車が占める。
レクサスはいずれ全モデルにハイブリッド車がラインナップされるが、その頂点に立つLSのハイブリッドモデル「LS600h」(来春発売予定)は、北米だけでなく、欧州でも、そして要のドイツでも、VIPの関心を引きつけるパフォーマンスを発揮するはずだ。「600h」とは6lエンジンと同等の性能であることを示すが、加速の瞬発力といったところでは確実にそれを凌ぐ性能を発揮することになるだろう。それはおそらく、今までにない「ハイテクとインテリジェンス」を強く実感させられる「未知の世界」への扉をくぐる鮮烈な体験になるはずだ。
プレミアムブランドはフラッグシップの実力と魅力が全体のイメージ/人気を大きく左右するが、実力も魅力もあるLS460のデビューで、レクサス・ブランドのイメージが押し上げられるのは間違いない。
今までは、器ばかりが立派に見えてしまった感のある日本のレクサス店だが、LS460がショールーム中央に置かれたことで、器と中身がよくなじむようになった。
これにLS600hが加われば万全だ。
さらには開発中とされるスーパースポーツが加わる頃には、日本でも、おそらくは欧州でも、レクサス・ブランドの地位はそうとう確かなものになっているのではないか。
期待も込めて、私はそう予想している。
(『@ZINO』2006年掲載記事)

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1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。




