ロデオドライブの風景を変えた
新世代ベントレー その2
高い格式にしてスタイリッシュなベントレーGTC
コンチネンタルGTCに乗っていて、ふと思いついたことがある。「LAからラスベガスまでGTCで走ったら最高だろうな!」ということだ。今までに3度LAからラスベガスまで走っているが、5〜6時間の砂漠の旅は楽しい。

ラスベガスといったが、私がGTCで行きたいのは、ネオンに埋もれたストリップエリアではない。そこから30分ほど走った静かなラスベガス……人工湖を中心に創られた新しいリゾート地「レイクラスベガス」である。LAでランチをすませて出発。途中で1〜2度休憩をとり、美しい砂漠の夕景を堪能した後、完全に暗くなってからラスベガスに入る。なぜなら、GTCをオープンにして、ラスベガスの夜の光を全身に浴びることは、絶対に忘れられない体験になるはずだからだ。それにオープンにしたベントレーGTCなら、夜のラスベガスでも一際目立つ。
そして、きらびやかな興奮の余韻を抱きしめながら、再び短い闇を走り抜けて、ザ・リッツカールトン・レイクラスベガスを目指す。華やかだが穏やかな灯りで照らし出されたエントランスに止めたら、トップは開けたままでGTCから降りる。後はすべて任せればいい。贅沢なクルマでしかるべき場所に行き、満足のゆく出迎えを受けたときの心地よさを、きっと100%に近い状態で味わえるはずだ。
LAの空港でピックアップしたコルベットをオープンにして、助手席にトランクを放り込み、ビバリーヒルズホテルに乗り付けたことがあるが、バレサービスの若いスタッフたちから、陽気な歓迎を受けた。出かけるときは、エントランス前まで幌を閉じた状態でもってきて、私の目の前でニヤッと笑いながらオープンにしてくれる。こうしたサービスぶりはうれしくなる。
ちなみに、私が知る限り、東京でいちばん心地よいバレサービスが受けられるのは銀座のホテル西洋だ。
ベントレー・コンチネンタルGTCは、高い格式と贅沢さを持ちながらも、軽やかな気分で乗りこなせ、もっともスタイリッシュに振る舞えるクルマである。2395万円のプライスタグに対しても、お買い得感云々といったことより、私は何かスッキリしたインテリジェンスを感じさせられる。LAからリッツ・カールトン・レイクラスベガスへのGTCとの旅……なんとか実現したいと思う。
(『zino』2008年1月号掲載記事)




1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。




