街も快適に走れるレーシングカー......GT-R Spec V
日産GT-R Spec Vはサーキットでの試乗は体験済みですが、一般路での試乗は初めてです。
パワースペックは基本的には標準車と同じですが、
速度計は340km/h。街を走っているときの針の位置はほとんど真下辺りを指すだけです。
(撮影・岡崎宏司)
一時的にターボのブースト圧を高めるハイギアードブーストが加えられています。
スイッチオンすると、約80秒間、2kgmのトルクが上乗せされますが、
これが、数値上から予想するよりもかなり効果大なのです。
アクセル操作に対するパワーの追従がよくなり、
コーナーの立ち上がりなどで上手く使うと、ハッキリその効果がわかります。
しかし、Spec Vの凄さは、シャシーにあります。
とくに、ブレンボと共同開発したカーボンブレーキが目玉ですが、
その効きもタフさも強烈のひと言に尽きます。
「GT-R」は、今や世界に通じる固有名詞になりつつあります。
このブレーキ、ほんとうに強烈に効きます!! 強烈にタフです!!
このカーボンブレーキと、
レイズ製超軽量ホイールの組み合わせは、
4輪トータルで、標準車より20kgものバネ下重量軽減に結びついています。
効きの強烈さに加えて、
どんなにタフな仕事を強い続けても、まるでケロリなのです。
ワインディングロードの速さは、もう「異次元」と言うしかありません。
その速さは、楽しいとか……そんな次元ではなく、
いったん「戦闘モード」に入ったら、
否が応でもとことん集中せざるを得なくなります。
6速DCTは初期モデルより、変速の速さ、スムースさともに上がっています。
ビルシュタイン製ダンパー、ポテンザRE70Rランフラット・タイヤ、
バネ、アライメント、エンジンマウント……等々も専用です。
リアには285/35ZRFのポテンザを履きます。もちろん専用タイヤです。
フロントは255/40ZRFです。タイヤが変な減り方をしていません。上手く使われている証拠です。
サーキットの試乗で、
その実力がハンパでないことはすでにわかっていましたが、
一般路上に持ち出して、改めてその実力には驚かされました。
とくに、バネ下重量20kgの軽減効果は絶大です。
まず、「嘘だろ!」と思うくらい、乗り心地がいいのです。
路面の凹凸をスムースにしなやかに、なめるように吸収してしまうのです。
強靱でしなやかなフットワークは、
ワインディングロードに入ると、さらにその実力を歴然とさせます。
まあ、「街も快適に走れるレーシングカー」といったところでしょうか。
1575万円のプライスタグが軽いのか重いのか、
その判断は人それぞれで異なるでしょうが、
速さとの関係だけで評価すれば、間違いなくバーゲン価格だと思います。
「GT-R」は、今や世界中のクルマ好きの注目を集める存在になっています。
アラブの王様たちにも熱烈なファンが多いと聞いています。
大型のシフトパドルはステアリングコラムに固定されています。
静かに佇んでいても、迫力が伝わってきます。
この角度がいちばんカッコいいのではないでしょうか。
リアスポイラーはカーボン製です。各部の仕上げのよさもわかります。
リアシート部分はこうなっています。つまり、Spec Vの定員は2名ということです。
では、また明日。

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1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。




