2011.03.28 11:30
メルセデス・ベンツ・SLRマクラーレン・ロードスター
F1の盟友、メルセデスとマクラーレンが手を結んでスポーツカーをつくる……。
まさに超一流同士のコラボレーションであり、
その答えが並のものでないだろうことは容易に想像はつきます。
事実、SLRの中身はハンパなものではありませんでした。
まず、デザインスタディの形でお披露目されたのが、
1999年の東京モーターショー。
「ヴィジョンSLR」の名でメルセデスのブースを飾った、
大迫力のロードスターの姿を覚えている方も少なくないはずです。
そして、正式にデビューしたのは、
2003年のフランクフルト・ショーです。
ショーの前夜祭、「メルセデス・ナイト」でのお披露目の様子は、
このブログでも、以前ご紹介しています。
直感的にF1のノーズコーンを連想させるノーズのデザイン、
否応なく人目を引くウィングドア、
長大なノーズがイメージさせる強大なパワー……、
メルセデス・SLRマクラーレンの存在感には、
異様な……といえるほどの迫力があります。
2009年5月で生産は終わり、
現在、その地位はSLS・AMGにバトンタッチされていますが、
昨日、SLS・AMGをご紹介したので、
今日は、SLRマクラーレンをご紹介することにしました。
ちなみに、今日ご紹介するロードスターは、
2007年からラインナップに加えられました。
SLRマクラーレン最大の特徴は、
カーボンコンポジットを主体にしたモノコック構造のボディでしょう。
その目的はもちろん軽量化と高剛性のハイレベルでの両立です。
エンジンはAMGがSLR用に専用にチューニングしたもので、
5.5LのV8にスーパーチャージャーを組み込み、
626ps/79.5Kgmという、
途方もないパワー/トルクを引き出しています。
トランスミッションは5速ATですが、
0~100km/hは3.8秒で走り切り、
実に332km/h(ロードスター)の最高速度に達します。
ロードスターの日本での価格は7000万円……。
なにもかもが「規格外」の
スーパースポーツカーだったということです。
静かに佇んでいるだけでも大迫力ですが、
V8に火を入れると、当然迫力はさらに高まります。
アイドルは600rpm辺りと低い回転で回りますが、
エンジンマウントが走り方向のタイトなセッティングのためでしょう、
その鼓動/振動は、かなりダイレクトに伝わってきますし、
高周波系も混じった、腹に響くような重低音がコクピットを満たします。
コンフォートはほとんど無視した、
タフでスパルタンな躾であることが、もうこの段階でわかります。
よほどのクルマ好きでもない限り、
助手席に女性は招かない方がいい……僕の結論です。
まあ、今から10数年前に開発されたクルマなので、
最新のスーパースポーツのような洗練度、
フレキシビリティこそありませんが、
「深く踏んだとき」の加速はむろんすごいものです。
高回転域のエンジン音がまた強烈で、
排気音、吸気音、過給器音、機械音……、
それらが混然一体になってコクピットに押し寄せてきます。
「サウンドを奏でる」などといった、
表現は当てはまりません。
SLRマクラーレンの音には、
「凄まじい!!」という表現しかみつかりません。
エンジン・レスポンスは素晴らしいですが、
5速ATのレスポンスはさほどでもないので、
アップテンポなドライビングのリズムには、
ちょっと乗りにくい感じです。
ステアリングはクイックですが、
同時にワンダリングも強く、気が抜けません。
平滑な路面でのハンドリングはOKですが、
不整路面では、上記のワンダリングと、
バネの堅さによる接地性の乱れを抑え込むのに、けっこう神経を遣わされます。
セラミックコンポジットのブレーキは強力ですが、
踏力は重く、脚力にはタフさを求められます。
タフといえば、乗り心地も「セミ・レーシング的」といっていいかと思います。
とにかく、SLRマクラーレンは、
ハンパな気持では付き合えない「タフなクルマ」だということです。
サメのエラのようなフロントサイドのエアアウトレット、
その下に突きだしたエクゾーストパイプ……大迫力です。
プロポーションは、59年代のFRレーシングマシンのようです。
ノーズのスリーポインテッドスターが誇らしげに見えます。
リアのフロア周りも徹底的に空力性能にこだわっていることがわかります。
エンジンはフロンドアクスルの後方、
ほとんどコクピットに潜り込むような位置に搭載されています。
文字通りのフロントミッドシップです。
テールランプ周り……も、迫力ありますね!
長大なフロントフードとウィングドアを跳ね上げると、こんな姿になります。
ちょっと近づきがたい雰囲気です。
コクピットには、外観ほど驚かされるようなところはありません。
速度計は360km/h!まで刻まれていますが、
最高速度が332km/h(クーペは334km/h)というのですから、
こけおどしでも何でもありません。
では、また明日。
まさに超一流同士のコラボレーションであり、
その答えが並のものでないだろうことは容易に想像はつきます。
事実、SLRの中身はハンパなものではありませんでした。
まず、デザインスタディの形でお披露目されたのが、
1999年の東京モーターショー。
「ヴィジョンSLR」の名でメルセデスのブースを飾った、
大迫力のロードスターの姿を覚えている方も少なくないはずです。
そして、正式にデビューしたのは、
2003年のフランクフルト・ショーです。
ショーの前夜祭、「メルセデス・ナイト」でのお披露目の様子は、
このブログでも、以前ご紹介しています。
直感的にF1のノーズコーンを連想させるノーズのデザイン、
否応なく人目を引くウィングドア、
長大なノーズがイメージさせる強大なパワー……、
メルセデス・SLRマクラーレンの存在感には、
異様な……といえるほどの迫力があります。
2009年5月で生産は終わり、
現在、その地位はSLS・AMGにバトンタッチされていますが、
昨日、SLS・AMGをご紹介したので、
今日は、SLRマクラーレンをご紹介することにしました。
ちなみに、今日ご紹介するロードスターは、
2007年からラインナップに加えられました。
SLRマクラーレン最大の特徴は、
カーボンコンポジットを主体にしたモノコック構造のボディでしょう。
その目的はもちろん軽量化と高剛性のハイレベルでの両立です。
エンジンはAMGがSLR用に専用にチューニングしたもので、
5.5LのV8にスーパーチャージャーを組み込み、
626ps/79.5Kgmという、
途方もないパワー/トルクを引き出しています。
トランスミッションは5速ATですが、
0~100km/hは3.8秒で走り切り、
実に332km/h(ロードスター)の最高速度に達します。
ロードスターの日本での価格は7000万円……。
なにもかもが「規格外」の
スーパースポーツカーだったということです。
静かに佇んでいるだけでも大迫力ですが、
V8に火を入れると、当然迫力はさらに高まります。
アイドルは600rpm辺りと低い回転で回りますが、
エンジンマウントが走り方向のタイトなセッティングのためでしょう、
その鼓動/振動は、かなりダイレクトに伝わってきますし、
高周波系も混じった、腹に響くような重低音がコクピットを満たします。
コンフォートはほとんど無視した、
タフでスパルタンな躾であることが、もうこの段階でわかります。
よほどのクルマ好きでもない限り、
助手席に女性は招かない方がいい……僕の結論です。
まあ、今から10数年前に開発されたクルマなので、
最新のスーパースポーツのような洗練度、
フレキシビリティこそありませんが、
「深く踏んだとき」の加速はむろんすごいものです。
高回転域のエンジン音がまた強烈で、
排気音、吸気音、過給器音、機械音……、
それらが混然一体になってコクピットに押し寄せてきます。
「サウンドを奏でる」などといった、
表現は当てはまりません。
SLRマクラーレンの音には、
「凄まじい!!」という表現しかみつかりません。
エンジン・レスポンスは素晴らしいですが、
5速ATのレスポンスはさほどでもないので、
アップテンポなドライビングのリズムには、
ちょっと乗りにくい感じです。
ステアリングはクイックですが、
同時にワンダリングも強く、気が抜けません。
平滑な路面でのハンドリングはOKですが、
不整路面では、上記のワンダリングと、
バネの堅さによる接地性の乱れを抑え込むのに、けっこう神経を遣わされます。
セラミックコンポジットのブレーキは強力ですが、
踏力は重く、脚力にはタフさを求められます。
タフといえば、乗り心地も「セミ・レーシング的」といっていいかと思います。
とにかく、SLRマクラーレンは、
ハンパな気持では付き合えない「タフなクルマ」だということです。
その下に突きだしたエクゾーストパイプ……大迫力です。
(撮影・岡崎宏司)
ほとんどコクピットに潜り込むような位置に搭載されています。
文字通りのフロントミッドシップです。
ちょっと近づきがたい雰囲気です。
最高速度が332km/h(クーペは334km/h)というのですから、
こけおどしでも何でもありません。
では、また明日。




1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。




